畑で身につける作業服をいつか作りたいなと思っていました。暮らしの手帖に作り方が載っていた会津・喜多方地方の野良着「サルッパカマ」。なんだか難しそうだなと数年先延ばしにしていました。ワークマンプラスで買った作業用ズボンはだいぶ前からゴム部分が伸び切ってしまい、そろそろ限界だなと思い、ついにサルッパカマ作りに挑戦してみました!
まずは完成品から。本来は、木綿着物地の小幅の反物で、生地を無駄なく使って作るそうですが、あいにく反物がなく、以前友人が不要になった生地を譲ってくれたので、その中から和っぽい生地を集めて、それこそパッチワークして作ってみました。ただこの方法だとジグザグミシンをやたらかけないといけないので、次回は反物を使って、なるべく生地の耳を使って作れたらと思いました。
パーツはなんとこれだけ。だいたい各2枚ずつ必要なのですが、これだけのパーツで立体的なズボンが作れるなんて、ちょっと感動しました。制作にかかった時間は1.5日くらいです。ツギハギにしなければ、1日で作れるような気がします。
出来上がったサルッパカマは、まるでボロ(BORO)のような仕上がり。実際はこんなに布をツギハギはしないのですが、ツギハギ部分の縫い代が肌に当たるのが少し気になりましたが、反物で作ればもっと履き心地が良くなると思います。でも、これはこれでサスティナブルでいいなと思っています。
ふくらはぎの部分は縫い方が難しかったです。ミシンで縫う部分と、手縫いで丁寧に縫い合わせる部分がありました。写真のふくらはぎの部分は手縫いです。私はふくらはぎが太いので、あと1センチほど余裕をもたせて作りたいなと感じました。
おしりの部分がどーんと出ているのが特徴です。これだけ出ていたら、おしりを蚊に刺される心配もなさそうです。
というわけで、さっそく畑ではいてみました。この日は、作業が沢山あって、気温も高めで暑い日でした。久しぶりに木綿のズボンをはいて、汗びっしょりになって気持ち悪いかなと想像していたのですが、そんなことはなく快適で驚きました。とても風通しが良いのです。しかも、今まではいていた伸縮性のあるポリエステルのズボンよりも動きやすいのには驚きました。畑で着画の写真を撮ってみました。農家のおばちゃん風ですが、もうこれでいいのです。これで生きていこうと思います!
後ろ姿。夏になると長靴はかなり暑いので、JAで売っているノベックロングという作業靴を履いています。
横。裾が細いので長靴も履きやすいです。長靴は野鳥の会のバードウォッチング長靴を愛用しています。柔らかくてしゃがんだりしやすいのが気に入っています。
おしりの部分がぽこっと出ます。これが機能性をアップさせてくれます。
股下の部分に可動性があるので、しゃがんだり立ったりが本当に楽ちんでした。そして、しゃがんでもズボンが下がってくることがないので、ズボンを上にあげたりすることが一度もありませんでした。
どすこいですね(笑)。紫色の腕カバーは、以前会津木綿のハギレで作ったものです。腕カバーは、軍手に土が入ってこないので野良作業には欠かせないアイテムです。そして、腕の部分は結構汚れますので、これがあるだけでシャツの汚れが減ります。会津木綿は昔から大好きで、ラップスカートを作ったりもしていました。ただ、会津木綿オンリーでサルッパカマを作ると生地代だけで1着7000円は掛かかると思います。野良作業ではくものなら、古着の木綿着物を買ってきて、ほどいて作るのが良さそうですね。
生地や色を変えたら、たぶん素敵なパンツになる予感がしています。もう少し練習を重ねて、このサルッパカマ作りを極めていきたいと思うほど、ほんとうに素晴らしい野良着でした。これを作った昔の人に感謝です!